トップ

マリミテSS

& SSS

パロディ

(銀杏鉄道)

パロディ

(銀英伝)

パロディ

(その他)

 

解題

千里の道も一歩から

 

 元ネタは塵芥川虎之介(ちりあくたがわ とらのすけ)の未完大作『邪宗転生』(じゃしゅう てんしょう)。民迷書房の子会社、イギリス書院のヘンリー八世文庫で公刊されたという話もありますが、詳細は不明です。ごめんなさい、ぜんぶでたらめです。信じないでくださいよう。でも信じなかった方は信じてくださいよう(どっちやねん)

 

 しかしこの下の〈あらすじ〉、われながらナニ混ぜたのか忘れました。『真・女神転生III』と芥川竜之介の『邪宗門』と昔ばなしの『羅生門の鬼』と最近の時事ネタ?――何か、あといっぱい混ざってそうです。しかし有栖川有栖はともかく、本名本姓で有栖川っていう人、いるのかなあ? 通常はできないし、やらないと思うんだけど。

 

 ちなみに芥川の『邪宗門』というのは、彼が得意とした平安時代ネタ(王朝物)とキリスト教ネタの双方をかねた、ちょっと不思議な読後感のある作品で、盛り上がりかける直前で未完になってしまったことでも有名です。

 

 主役として登場するのは文人肌の謎めいた貴公子、堀川の若殿。そして他方に仏教を邪教と退け、〈天上皇帝の御教え〉を奉じる摩利信乃(まりしの)法師。

 

 現存するラストでは、摩利信乃法師が諸人にその法力の絶大さを見せつけた後で、

 

『「何人なりともこの場において、天上皇帝の御威徳を目のあたりに試みられい。」と、八方を睨みながら申しました。

 その時、また東の廊に当って、

 「応。」と、涼しく答えますと、御装束の姿もあたりを払って、悠然と御庭へ御下りになりましたのは、別人でもない堀川の若殿様でございます。』

 

 ここで切れる。あんた何者よ、堀川の若殿。――そして、だれだ、こんなところで切ったのは(笑) 読者を欲求不満にするという点では、なかなか比類ない名作です。

 

あらすじ

 

 それは近未来――「東京受胎」が起こって全ての〈秩序〉にカタストロフィがおとずれ、悪魔が跳梁する混沌の世界〈ボルテクス界〉となったころのこと(詳しくは『真・女神転生III』(C)ATLAS を参照) 主人公〈K祥寺 万〉は悪魔の力を身につけて〈デビル万〉となって活躍するのだがそれはともかく、ここボルテクス界のかたすみの外側――旧多摩武蔵野地域では、リリアン学園と花寺学院の対立が激化、一触即発の状態に陥っていた。

 

 そんなあるとき、リリアンの生徒・福沢祐巳は謎のゴスロリ少女に出会う。「あたしの名はアリスだわよ」、自ら皇族・有栖川宮の最後の当主・威仁親王(1862-1913)の娘の同級生の執事の妹の嫁いだ先の母親の甥の息子の末裔と名乗るアリスは「ご先祖の祭祀を行うため、どうしてもリリアンの構内に立ち入る必要があったりするのだわよ」という。

 

 そしてアリスは「あなたの――紅薔薇のつぼみの権力を行使して」自分を中に招き入れて欲しいと祐巳に依頼する。リリアンにはボルテクスの混沌をさえ物ともせぬ、マリア様の結界が張られていて、部外者が勝手に立ち入ることができないのだ。

 

 いったん断る祐巳だが「もしあたしの言うことを聞いてくれたら、あなたを有栖川宮家の一員と個人的に認めてあげるわよ。そうすればいとしいお姉さまとの身分差もなくなってウハウハだわよ」というアリスの甘言に乗せられ、リリアンまで案内してしまう。

 

 だがいざ、ハラショー門――リリアンの校門へ立ち入ろうとしたとき、その前に立ちふさがる白薔薇のつぼみ・二条乃梨子。狼狽するアリス。「油断したね、アリス。余人はともかく顕密双方、仏法の奥義を極めたこの私の目を逃れることはできない――祐巳さま、騙されないで、アリスは女の子じゃない、ど畜生のオカマ〈金太郎〉よ!」「どどどど」思わず道路工事してしまう祐巳。  

 アリスこと、実は花寺学院の手先だった金太郎は、乃梨子との法術対決に敗れて片腕を切り落とされ、奪いとられてしまう。「なによー、オカマをバカにすんじゃないわよ、このままじゃすまさないわよ、一週間の間に絶対取り返してやるわよ」といいながら、アリスは姿を消した。

 

 その七日後のこと。「アメあげるから」と謎の着ぐるみ生物の甘言に乗せられ、アメ玉といっしょに『不思議の国のアリス』の単行本を受け取ってしまう祐巳。だがその書物こそは、リリアンの結界を破る鍵――瞬間移動を可能とする魔法陣――だったのだ。

 

 薔薇の館の二階に持ち込まれた『アリス』の中から「ほほほほ、約束どおり腕を取り返しに来たわよ!」と姿を現したのは、一張羅の〈丸に金の字〉赤い前掛け、ただひとつを身にまとったアリスこと金太郎! 「ひえっ!」「きゃあっ!」「あらびうんけんそわか!」乙女たちの悲鳴と金太郎の哄笑が天をもつんざく! 結界を破られては乃梨子の秘術も通用しない。

 

 山百合会の面々の歯ぎしりをよそに「さあ、今日こそは私の真に欲するものをいただいていくわよ! この呪いの前掛けを前に、歯向かえるものなら歯向かうがいいわよ!」 腕を取り返して高オカマ笑いするアリス。その時――「応(おう)」と、涼しく答えて、悠然とビスケット扉を開き、姿を現したのは――?

 

 今こそ子羊たちの前にさらけ出される謎のリリアン結界〈絶対マリア圏〉の実態。そしてアリスの真のねらいと目的、正体は? そして呪われし前掛けの邪法を祐巳たちは打倒できるのか?――全ての物語は、ここから始まる。――わきゃねーべよ

 

 

トップ

マリミテSS

& SSS

パロディ

(銀杏鉄道)

パロディ

(銀英伝)

パロディ

(その他)

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送