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解題

青春の歳月 さらば999 前編

 

  このパロは、題名はTV版112―113話『青春の幻影 さらば999』、ただし中身は原作版の『終着駅―その4 惑星大アンドロメダ』、および最終回『同――その5 わが青春の銀河鉄道』が元ネタです(所題は少年画報社の単行本に拠りました。雑誌掲載時や小学館版とは異同があります)。少年画報社版文庫第12巻、小学館ビッグコミックスゴールド版第14巻のほか、同小学館刊のコンビニ発売廉価版・マイファーストビッグ『終着駅』などで参照可能です。

 

 ちなみにテレビシリーズは〈終着駅・生きた機械の部品で構成された惑星メーテルを支えるネジにされる〉――という有名な映画版とは異なり、〈機械の体をタダでくれる星・プロメシュームにおいて、約束どおり機械の体が供与されることになっていたけれど、鉄郎がそれを拒絶する〉という展開になっています。

 

 これに対して原作は映画・テレビ両作の折衷的展開です。通過駅〈予約カタログ〉――駅の通過時間わずか15分の中に機械化世界の案内人メノウ――鉄郎をかばって死んだガラスのクレアの母親――から体の選択を迫られた鉄郎は、瞬間的に「機械の体なんかクソくらえ!」といって機械化そのものを拒絶。「では、あなたの体は私が選んでおきます」といって去っていくメノウ(『その1 影のメノウ』)。

 

 最後の停車駅、機械化の思い切りのつかなかった生身の人間の溜まり場〈最後の晩餐〉で、鉄郎は、住人の女――実はメノウの変装――から、とどまって余生を過ごすよう勧められますが、「終着駅まで意地でも行く」といって再び列車に乗り込みました(『その2 最後の晩餐』)

 

 終着駅を取り巻く乱動超空間へ進入する999号。鉄郎と車掌は、メーテルが、ときおり彼女の傍から今までも聞こえてきた謎の声と「今度はなぜか気がすすみません。とてもつらい気持ちです」と会話を交わしているのを耳にします。「これが終わったら……死んでもいいですか?」と問い掛けるメーテルに「まだしなければならないことが残っている、弱音を吐いてはだめだ」とはげます謎の声。そして999は乱動超空間を抜けて……「見えましたよ!! ほら、あれ!!」(『その3 乱動超空間』)

 

ついに到着した終着駅、機械帝国の首都・惑星大アンドロメダで、

鉄郎を待ち受けていたメノウが示した機械の体は―― 

 

画像は小学館、少年画報社の単行本による Copyright -  松本零士

 鉄郎はメノウにともなわれ、機械帝国の支配者・女王プロメシュームに謁見する。

「女王なんて、どこにも いやしないじゃないか」

「わたしが見えぬか。おろかな生身の二足動物よ」

「女王って、機械の生首のことか!?」

無礼なことを申すな!! おまえには私が、機械の生首にしか見えぬか?

機械化母星 惑星大アンドロメダの中心に存在して、

すべてをつかさどる、この私が!!」

そこへ――

「鉄郎……長い旅を……私と一緒に……ありがとう」

首がゆっくりと回転して、女王の顔のうしろから現れたのは

「メーテル?!」

「そう、私の愛する娘メーテル

――少年よ、私の娘を助け……長い旅路を終えて……

ともに無事ここへ来てくれてありがとう……

――お前は心やさしい少年、歯を食いしばって歩きとおす強い心をもった男の子

――私にも、昔そういうときがあった

――私はメーテルを通して、そういうおまえを見続けてきた――」

「私はメーテル、あなたといっしょに旅をしてきた、

メーテルが見るとき、私も同じものを見る

――かよい合う同じひとつの心をもった……ふたつの存在

――私はメーテル」 

 

 

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